第4章 決断の時
そしてその数日後。
私たちは第8シェルターの焼鳥屋にいた。
私はみるみる回復しすでに食事も完璧にできる。
人並み以上ってこと。(夜兎よりは食わないが)
神威と私が焼き鳥を注文し食べまくっていると、阿伏兎が入ってきた。
「春雨の新しい拠点って感じかねェ。夜原も力をなくして解体されたし」
外はすでに春雨の船でいっぱいだった。
「団長の支配下だけど、一応ハシモトの領地、そんでその儲けはすべて春雨のもの…というなんとも複雑な方程式が出来上がっちゃうわけですぅ」
そう言って阿伏兎が、私が注文しておいたナマ中を一気飲み。
「恨みはすべて団長がかぶるんですね」
なんだか私はやりきれない気持ちになった。
こんな利益も何も興味のない人に対する周りの目。
「慣れてるよ」
私がなんとも言えない表情で神威を見ていると神威は別に気にした様子もなく両手に持った大きめの焼き鳥をほおばる。
「解せないのはやっぱりハシモトだね」
「やっぱりそう思いますぅ? あいつの狙いは春雨のコネだったんスかね」
「どこからどこまでがアイツの策だったのかいまいち俺には分からない…からなんとも言えないね」
「まぁ確かに。全部だったような気がするんだよねぇ」
「あ、私もそんな気がします!」
なかなか会話に入れなかったが、そこでなんとか入れた。
「…そうなると、アイツは夜原をつぶしたかったのか」
「そこまでして春雨のコネが欲しかったってことじゃないですかね」
「じゃあ…ずいぶんうまく俺たちはアイツに利用されたってことになるね」
たしかにー。
しかもなんかカリまでできちゃったし。後味悪すぎ。