第4章 決断の時
後ろで戦い合う音を聞きながら私は惑星Cに入った。
しかし惑星Cに人の気配がない。
ふとガラスの外を見るそこは船着き場だった。
だったが、そこに宇宙船は1つもなかった。
そして上空は開いていて、暗い宇宙が顔をのぞかせていた。
ボスは、いなかった。
「遅かったか」
窓ガラスから上空を見ていると、背後から阿伏兎の声がした。
「阿伏兎! …さっきの少年は?」
「…のしてきたに決まってるじゃない。
経験の違いってやつを知らないガキにはちょっときつ~いお灸を据えてきた」
と言いながら近くにあった扉を蹴り壊した。
「毒ガスを止める術を考えるか。
俺たちには船がない」
「そうですね」
そう言って私は持っていた電子板を見ると、一か所赤く点滅する個所を発見した。
「もしかして、ここ、毒ガスの散布が始まってる?」
私はそう言って阿伏兎に電子板を見せると、
「ここは…惑星FGだ…」
とつぶやいた。
「阿伏兎! 私は神威を助けに行きます! 毒ガス制御と宇宙船の手配をお願いします」
そう言って走り出そうとすると、「待て」と言って何かを投げてよこされた。
それは酸素ボンベだった。
「惑星F近くになったらそれつけろ」
そう言って阿伏兎は惑星Cの奥へ向かった。
私は酸素ボンベ2つを背負って阿伏兎とは逆方向へと走った。