第4章 決断の時
「な~んでこんなことになぁっちまったんだっけぇ~?」
「いいんですよ、これで!」
今の状態をご説明いたしましょう。
私と阿伏兎は夜原一味の服をはぎ取ってきております。
しかし、阿伏兎の服、ど~~みてもサイズあってないし、バレバレなわけですよ。そこで私は阿伏兎の首に縄をかけまして「夜兎つかまえたよ☆」大作戦に出たのです。
「NO189よ~…。ナンバー的にも上司は俺なんだけども」
阿伏兎の胸に書かれた番号はNO27。うん、でもしかたないもの。サイズがあってないんだもの。
ということでオレンジの夜原建物内をウロウロ。
どこか偉い人がいそうなところを探すがなかなか見つからないので、バタバタ走っていた下っ端っぽい男を捕まえて聞いてみた。
「お疲れ様です~。ご報告ですか?
ボスなら惑星Cに行くとか言ってましたよ~」
そう言って男は通り過ぎて行った。
「惑星、C?ここはFとGの真ん中だから…割と近そうな気がするけども」
「近いかどうかは地図かなんか見なけりゃわからないだろうが、ちくしょーめ」
そんなことを小声で言い合いながら歩いていると、他の鉄板でできた扉とは違う、立派な扉を見つけた。
私と阿伏兎は思わずそこで立ち止まった。
偉いやつ、ここにいるんじゃない?
という表情でお互い顔を見合わせていると、不意にその扉から怒鳴る声が聞こえた。
「この惑星全体を捨てるおつもりですか!?
たった3人の夜兎のためにですか? 他の部下のこともお考えください! 毒ガス散布などもってのほかです!」
惑星を捨てる?
毒ガス?
私と阿伏兎は一気に緊張感を取り戻した。