第3章 夜原掃討戦
「お嬢ちゃん、目ェさましたかい?」
目を開けるとすぐ横には阿伏兎がいた。
「…ぱ、パッツパツじゃないですかぁぁぁぁ??????」
私の目を開けての第一声はそれでした。
阿伏兎はとなりで、敵から奪った作業着みたいなつなぎの服を着ていた。
それは一向にかまわなかったけども、サイズが全く合っていなかった。
「いやぁぁぁバレるバレる!寄らないでぇ…って痛~~~い!!!」
私は必死に阿伏兎から離れようと身をよじったがあまりの痛みに悲鳴を上げた。
「当たり前だろうが。完璧に肋骨いってるぞ」
「やっぱりぃぃぃ痛い!!!」
初めての骨折。
痛みでのたうちまわっていると阿伏兎が私のつなぎを思いっきり裂いた。
「ぎゃあああああああ???何を血迷ってるんですか阿伏兎!」
「いいからみせなさい。応急処置くらいできるから」
そういうので抵抗をやめた。
「素直だねぇ。襲われちゃうんじゃないかとか思わないの?」
にやっと阿伏兎が笑って言うので、
「いや、痛いから早く応急処置してください」
と答えた。
「色気のない答えだねェ」
クックッと声を殺して阿伏兎は笑う。
サラッと答えたようだけど、不意打ちの質問だったので相当動揺して答えたんだがね。