第1章 プロローグ
少年の名は『神威』。
どうやら、海賊でめっぽう強いらしかった。抵抗しなくてよかった。
神威について行けば、そこには大きな宇宙船があった。
そして、その前には体形さまざまな宇宙人たちがおり、前を通り過ぎればそこにいたすべての宇宙人たちは神威に跪いた。
私は見慣れぬ宇宙人たちに怯えながらも神威について行くしかなかった。
「神威様、その者は?」
途中、身なりのいいカエル風の宇宙人が神威に尋ねた。
「あぁ、遠い親戚の子だよ。偶然この星にいてね」
「那美です」
ここはテンポよく話を合わせようとすかさずあいさつした。
「では…この方も夜兎…!」
カエル風宇宙人は驚いたように二歩下がった。
…そんなに驚くようなことなのかな。夜兎じゃないけど。
そんなことを考えながら神威を見ると「行こうよ」と目で合図して来たので、私は生れて初めて宇宙船に乗りこんだ。