第3章 夜原掃討戦
なんども叩く音が響き渡り、ついに壊された壁。
私は隠れて様子をうかがっていたが、急に
『この人たち、今でてったら確実に神威に殺される』
と心配になった。
今更何を言うかというかんじだったが、なぜかそう思ってしまった。
ここで私がこの人たち…ちょうど三人を気絶させて洋服を奪ってしまえば被害を最小限に抑えられる。
私は勇気を振り絞って、ゆっくりと神威をうかがっている三人の後ろに回って行った。
何か近くにないかな…と辺りを探すも三人一気に気を失わせられるような都合のいいものはなかった。
傘?
一瞬背中に背負ったそれが頭をよぎった。
だめだ、これは嫌だ。
気を取り直して上下左右見渡せば先ほどいたところにみかん箱くらいの大きさの黒い装置を発見した。
私は再びゆっくりと戻り、それを持ち上げた。
う、重い。
でもこれくらい重くないと気絶させられないよな…。
これで最低一人は気絶させないと。
私は気合を入れて持ち上げ、勢いをつけて狙った一人に憤然と向かって行った。
しかし。
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアんんんん…
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!???夜兎だぁぁぁ!!!!」
「わぁぁぁぁ~~~~!!」
えぇと。どこから説明しましょうか。
まず、最初の音は黒い装置に管が一本刺さっていて引っ掛かり落としてしまった音。
一回目の叫びは敵の驚きの声。
落としたその激しい音で敵が驚きひっくり返った。
そして最後の叫びは、その敵の叫びに驚いた私の叫び声。
ああ、そういえば向こうさんにとっても私は夜兎なんだっけ。
「や、夜兎だぞ~」
怖いとは決して思えない脅し文句でも相手は十分震え返る。
ほうほう、これは使えるのぅ。
「ふぅぅぅんじゃぁ、まずは脱いでもらいましょうかね、奥の君から!」
と言って順番に指さして脱がせていった。パンツははいてろよ☆
若干サドに目覚めそうなヒロイン、全員脱がしたところで縛り上げることにした。…うん、ますますサドに目覚める。
そんな中、不意に後ろのドアが開いた。
「何をしているの?那美…」