第2章 ちぐはぐな街
三人は再び運ばれてきた料理に舌鼓。
久しぶりの地上食、二人だってうれしいに決まっている。
「このカニ玉うま!」
「どうするんですかぁ団長。少しここに滞在しますかァ…っつーか俺のところにカニ玉なかったんだけど」
「う〜〜ん。俺の性分からして仕事しないでここにいついちゃいそうだから、うざい仕事はさっさと終わらせたいね…ああ、俺のところにカニ玉2つあると思ったら阿伏兎のだったの?ごっめーん」
「な〜にが『ごっめ〜ん』だァしらじらしいってんだこんちくしょー!」
私たちにとって仕事よりカニ玉だった。
地上食を堪能した我々三名はさっそくハシモトから宇宙船を借りた。…この宇宙船なら夜原に入っても怪しまれないだろう。
「宇宙船♪宇宙船♪」
春雨のとはずいぶん違った造りでおもしろかった。
中は少し魚の骨に似ている。
「那美は宇宙船が変わるたびに機嫌が良くなるね」
と神威に言われた。
二人にとっては珍しくないことなのが驚きだよ。
「自動操作で行けますので何にも心配しなくて大丈夫ですよ」
ハシモトがそう言いながら案内してくれたのは操作室だった。
入った瞬間ブゥゥゥンと何か電源の入った音がして青い光が走った。
そして映画館のような大きな画面にさまざまな惑星が一列に並び、その中の1つが大きく映し出された。
大きくなるにつれ、それが人口の惑星であることがわかってきた。
穴ばかりの銀色の惑星。
「これが船着き場の惑星FGです。ここに船は向かいます」
映し出された銀色の惑星。
私たちはただ黙って映し出されたその惑星を見つめていた。