第1章 空焦がれ、忍び愛
次の日、新リヴァイ班は何者かに狙われたエレンとヒストリアの身代わりに、アルミンとジャンを囮にする作戦に出た。
突如近づいて来た馬車に、変装したアルミンとジャンが連れ去られ、リヴァイ達は気付かれないようにその馬車を追った。
そのお陰で、連れ去った犯人がリーブス商会だと言う事が分かった。
たが、リーブス商会は中央憲兵の命令を従ったに過ぎなかった。
壁の中の最高権力者が率いる中央憲兵。
それに背くと、リーブスも命は無い。
リヴァイはリーブスを上手く言いくるめ、エレン達を引き渡す事を条件に調査兵団の傘下に入れた。
リーブスはリヴァイに託されたエレン達を使って、中央憲兵に引き渡すフリをし、二人の憲兵を捕まえる事に成功した。
拷問、レイス家の秘密、少しずつだが事は順調に進んでいると思えた。
たがそんなリヴァイ達の耳に、リーブスが無惨に殺害されていたという報告が入った。
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「棺桶を二つ、馬車に乗せます!」
リヴァイとリリーとニファは、建物の屋根裏で葬儀屋の様子を見張っていた。
葬儀屋に化けた憲兵と思われる男達が、馬車に棺桶を二つ乗せている姿が目に入る。
「あの棺桶の中、絶対エレンとヒストリアだよね。」
「間違いねぇな…。多分あれは第一憲兵だ。」
「ねぇお兄、リーブス商会が殺されたのって、私達と手を組んだってバレたからだよね?」
「あぁ…俺も同じ事を思っていた。あいつらの足りねぇ頭でそれを思い付くとは到底思えん。」
「こんな事考えるのは…。」
「あぁ。ヤツなら考えられる。」
「兵長、リリーさん、ヤツとは一体?」
「お兄!!じゃあこの場所って…!」
〝見晴らしのいいいい高台〟
その瞬間、屋根上に突如現れた男に、ニファの顔面が撃ち抜かれた。
「ニファ!!」
リヴァイとリリーは咄嗟に煙突に身を潜め、散弾を避ける。
「よぉ、リヴァイ、リリー。大きくなったなぁ。」
そこに現れたのは、ケニーだった。
「ケニー!!」
「…っやっぱり!!」
「お?リリーはえらい美人になってるじゃねぇか!リヴァイ、お前はあんまり変わってねぇな?!」