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【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】空焦がれ、忍び愛

第1章 空焦がれ、忍び愛




エルヴィンは一瞬戸惑ったが、この状況に便乗して話を続けた。


「…お前の妹か?」


「ッ……あぁ、そうだ!」


「質問に応えれば、お前の妹をいい医者に見せてやる。お前の名は?」


「…ッ!…リヴァイ…。」


「そうか、リヴァイ。私と取引をしよう。お前達の罪は問わない。力を貸せ。調査兵団に入団するんだ。」


「……断ったら?」


「憲兵団に引き渡す。これまでの罪を考えればお前は元より、お前の仲間もまともな扱いは望めないだろう。それは妹も同じだ。持病を抱えたまま地下の牢に幽閉され、お前が気付かぬ内に死んでいる事になる。」


「!……いいだろう。調査兵団に入ってやる…!」


そうして四人は特別ルートでの入団で、調査兵団に所属する事になった。





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数年後ーー・・・












「おい、体を冷やすんじゃねぇ。再発したらどうすんだ。」


「あっ!お兄、ブランケット持って来てくれたの?ありがとう〜。」


夜更けの静かさの中、見張り番をしていたリリーの隣にリヴァイが腰掛ける。


調査兵団の特別精鋭部隊、通称リヴァイ班に所属した二人は、何者かに狙われたエレンとヒストリアの保護の為、山奥の山小屋に潜伏していた。


この兄弟を知らない者は兵団内で誰一人と居ない。

人類最強のリヴァイから溺愛される妹のリリー。

リヴァイに続き異様な強さを持った赤髪のリリーは、まるで巨人を殺すのを楽しむかのように伐倒する。

その姿を目の当たりにした人々からは〝灼熱の悪魔〟そう呼ばれていた。


「星綺麗だね。イザベルとファーランも見てるかなぁ?」


「…どうだろうな。」








調査兵団になって初めて壁外に出たあの日、イザベルとファーランは巨人に喰われ命を落とした。


書類が手に入れば、王都での暮らしが保障される。

あの頃のリヴァイ達は、調査兵団での活動を続ける気などさらさら無かった。


〝エルヴィンを殺し、書類を奪う〟


作戦決行日、リヴァイとリリーは中央付近に居たエルヴィンを壁外調査中に殺すべく、イザベル達を右翼側に残し二手に別れる事になる。


だが突然の雨で視界が悪くなり、運悪くもイザベルとファーランは気付かぬ内に巨人の群れに囲まれてしまっていた。

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