第3章 会いたくて
あれから私は、週に二回はスターレスへと通っていた。
最初は先輩と一緒だったけど、一人でも行くようになった。
一番危なくない道を見つけたから、あれから怖い思いはしていない。
スターレスのキャストさんのことも段々と分かってきて、最近は顔を覚えて貰えるくらいになれた。
「ようこそ!ってあれ、舞美ちゃんや!今日はB全員ホールやで〜。知らんかった?」
藍君がビビットピンクの瞳をぱちくりさせる。
その姿が面白くてつい笑ってしまった。
「実は、ホールにいるミズキ君も見てみたくて今日は来ちゃったんだよね...」
えへへ、と笑うと藍君はニヤリとして、私の耳の近くまでやって来た。
「アイツ、怒るで〜...。自分のファンに他のチームの公演見られるの相当嫌いやから」
怒られんで〜!と楽しそうに言われ、私は段々不安になって来た。
「ま、来たからには見てってや!今日はチームPとKやで。見るの初めてやろ?」
頷くと、藍君は席へと案内してくれた。今日も変わらず、席は満席状態だ。
「飲みもんいつものやつやんな?んじゃ楽しんでや〜」
笑顔で手を振る藍君へ振り返すと、徐々に照明が暗くなる。
この時、私は知らなかった。
怒りに満ちた金の瞳が、私を見つめていたなんて。