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狂愛-BLACK LOVER-

第4章 急展開


クソが...!と捨て台詞を吐き、リコさんは部屋を出て行った。

再び私とミズキ君の間に沈黙が流れる。

「...あー服ビッシャビシャ。気持ち悪りぃ...」

先に口を開いたのはミズキ君だった。
前を見つめたまま、視線を動かそうとはしない。

「ご、めんなさい私、騒いじゃって」

「チッ、本当だぜ、っタク」

その言葉に、私は目を丸くする。

「な...!元はと言えばミズキ君が急に入ってきたからで...!」

「俺は親切心で下着届けてやっただけだろ!?」

視線がぶつかる。

同時に耳まで赤くなって、顔を背けた。

お湯が白くてよかった...。
ギリギリ見えていないことが、不幸中の幸いだった。

「...お前、もう洗い終わったんだろ?先に出とけ。俺も洗いてぇ。...目ぇ瞑っててやるから」

そう言うとミズキ君は長い睫毛を伏せて瞼を閉じた。

本当に綺麗な顔...。

さっきまでの羞恥心はどこかに飛んでいって、そんなことを思ってしまった。

ゆっくり湯船から上がると、脱衣場へ出て浴室の扉を閉めた。

一気に脱力し、タオルに包まったままその場に座り込んでしまった。

なんか、色んな意味でのぼせたかも...。

妹さんのものだという下着を借り、ジャージを着ると物凄くぶかぶかだった。

あまり体大きくないと思っていたけど、意外と筋肉とかあるのかも...。

服からもシトラスの良い香りがして、私はまた頬が火照ってしまった。

そうだ、メイク落として歯磨きしなきゃ。
まだ暫くは出てこないだろうと思い、床に散らばっていたお泊りセットをかき集める。

洗顔とスキンケアを済ませ、歯を磨いている時だった。

ガラッ!

浴室の扉が開き、腰にタオルを巻いたミズキ君が出てきた。

え!?え!?!早すぎない!?!?

だってまだ10分も経ってないはず...!

洗面台の鏡越しに目が合い、慌ててうがいをする。

「...お前、ワザとかよ?」

「へ?」

振り向くと、鼻先が当たりそうな距離にミズキ君の顔があった。

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