第4章 急展開
「...」
「...」
沈黙が二人を襲う。
目を見開いて口が半開きのミズキ君と、恐らく同じ表情をしている私。
「わ、わりぃ」
ピシャ!
勢いよく扉が閉められた。
何が起こったのか分からない。
は、はだっ、裸見られ...。
「きゃーーーー!!!」
ガチャ!
「馬鹿野郎!でかい声出してんじゃねぇ!...あ、わ、わりぃ」
バタン!
え?...え!?へぇ!?!
2回も見られた!!!!!
Bカップの貧乳。
メリハリのない幼児体型。
こんな体を
あのミズキ君に
二回も見られたぁ!?!?!!?!
「うわあぁぁぁああぁん!!」
大粒の涙が溢れて止まらない。
「おい泣き止めって!...頼むから!悪かったって!」
扉の向こうからミズキ君の必死で謝る声が聞こえる。
でも、いくら謝られたところで貧相な体を見られた事実は変わらない。
「もうじに゛だい゛〜〜〜〜!!!」
「なっ...!そこまで言うことねぇだろ!!」
私の泣き声と、ミズキ君の謝罪。
深夜のマンションに響き渡っていることなど、私は知る由もなかった。
突然インターホンが鳴る。
『おいミズキ!夜中に何騒いでんだよ!!』
ドンドンと叩かれる玄関の扉。
この声は...リコさん!?
『お前今日ホール途中でバックれやがって!入るからな!!』
ガチャ!!
え!?鍵、開いて...!?
扉が開くと共に、ズカズカと入ってくる音が聞こえる。
やばいやばいやばい!!
私がいるの、バレちゃう...!
そんなことになったらミズキ君はきっと罰せられるし、私はスターレスに通う事など一切出来なくなるだろう。
ミズキ君に、会えなくなる...?
そう思った瞬間だった。
ガチャ...!
再び脱衣場へ入ってきたミズキ君は裸の私を抱き上げ、服を着たまま湯船へと飛び込む。
ザバーッとお湯が溢れ、白い湯気が充満した。
「風呂入ってるだけで何も騒いでねーよ!部屋間違えたんじゃねーのか!」
「ああ!?何呑気に風呂なんか入ってんだよ!」
ガチャガチャと脱衣場のドアノブを回す音が聞こえるが開かない。
ミズキ君はあの一瞬で鍵を閉めたようだ。
「ハッ、いくらお前でも男の裸見る趣味はねーだろ!」
その言葉に、リコさんの声には怒りが見えた。
「お前...。明日覚えとけよ。絶対に土下座させてやるからな」