刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第41章 神酒
「ああそうだ。どうしてそんな症状が出たのか理由はわからねぇが…」
薬研くんは神酒をまじまじと眺めながら口にする。
媚薬って、あの媚薬?
使ったこともないし見たこともないけど、性欲が高まるとか感じやすくするとかそっち方面の薬、というのはなんとなく知っている。だからこんなに体が疼いているの?
「はあ…はあ…たすけて…」
「主ちゃん、すぐ伽羅ちゃんを呼ぶから辛抱するんだよ!伽羅ちゃんっ伽羅ちゃん!?」
「大倶利伽羅なら遠征でいない…帰還は明朝だぞ」
鶯丸の一言に、光忠があっ!と思い出したように声を上げた。
「なんでこんな時に限って24時間遠征なんかに!!」
「今そんな事を言っている場合ではないな。緊急を要するんだ、呼び戻し鳩を使ったらどうだ?…確かまだいくつか残っていたはずだろう」
「そうだな、鶯丸の旦那の言う通りだ。それに俺っちが今から中和作用のある薬を作るより、大倶利伽羅の旦那に来て貰った方が早い」
「あっ、でも薬研くん!神気に反応してるのに、更に神気を注いで平気なのかな!?」
「恐らく沢山注げば逆に浄化される筈だ」
「沢山?……僕、恥ずかしくなってきちゃったよ…」
ぽっと頬を赤らめる光忠とは対照的に落ち着いた様子の薬研くん。