刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第41章 神酒
足に力が入らずその場にへたり込んでいたら、私の異変にいち早く気付いた国広くんが顔を覗き込んできた。
「主?どうかしたのか?腹でも痛むのか?」
「あ、違うの…なんか体が熱くてくらくらする…夕餉前に飲んだ神酒のせいかなあ…今になって酔いが回ってきたみたい…」
「神酒?この酒か?」
「う…ん」
最初は酔いのせいだろうと思っていたけど…明らかに酔いとは違う症状が現れてきていた。
身体がとにかく熱い。火照っている。それに下腹部が変に疼いていて、ショーツが…濡れている感触…なんでこんなことになっているのかさっぱり分からなかった。
「…ぁ」
「おい、大丈夫か」
「主ちゃんっどうかしたの!?」
「みつ…た…やだ、変だよお」
国広くんがあたふたしていると、光忠が駆け寄ってきて声を掛けてくれるも、自分の身体に起こっている訳の分からない症状に混乱してうまく説明が出来ない。
かわりに事情を話す国広くんに光忠が眉を寄せ、慌てた様子で政府からの書簡に目を通していく。
その間に次郎ちゃんも私の傍に駆けつけた。
光忠のいつもの穏やかな琥珀色の瞳が文字を追う度に鋭さを増していく。