刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第40章 魅惑のランジェリー
「あそこで待ってる男の人、もしかして彼氏さんですか?」
「え、あ、はい…」
「やっぱりー!格好良い彼氏さんですねっモデルさんですか?あんな人が彼氏さんだなんて羨ましい限りですっ!」
にこにこしながらメジャーを持った店員さんに試着室の中に入るように促される。試着室のドアを開けられそのまま中に入ろうとすると、突然腕をガシリと捕まえられた。
思わず「ひっ!」と情けない声をあげ見上げると、ベンチに行ったはずの大倶利伽羅さんが険しい表情をしながら何故か私の腕を掴んでいる。そしてキッと店員さんを睨み付けた。
「こいつをどこに連れていくつもりだ」
地鳴りのような低い声と、物騒に細められた瞳。刀を握っているわけではないのにこの殺気!さすが刀剣男士だ…と関心している場合ではない。
店員さんの顔がみるみる内にひきつり青ざめていく。
「し、し、試着室ですけど…あの…な、何か問題でもございました、でしょうかっ」
「試着室、だと?」
「は、はい…試着室、ですぅ…」
「わー!伽羅ちゃんっ何でもないの!大丈夫だから!あのっ、店員さんもすみません!!」
試着室なんて知らない大倶利伽羅さんは、私がこの店員さんに何処かに連れていかれると思ったようで、目にも止まらぬ早さで私を助けに来たみたいだった。