刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第40章 魅惑のランジェリー
「…入るぞ」
「え…な、なんで?」
何故か同田貫さんではなく大倶利伽羅さんが入ってきた。お風呂上がりなのか、相変わらず乾かしていない髪の毛の先から雫が落ちている。
「同田貫に呼ばれた…あんたが俺に用があると」
「…うそぉ」
あの同田貫さんがそんな事を??全てを悟られていたことに驚愕する。
まあ、こんのすけとの会話も聞かれていたし?当然と言えば当然なのかもしれないけど…
突然の大倶利伽羅さんの登場に狼狽えていたら、彼は向かいにある椅子を私の横に移動して、当たり前のように私の隣に座りいつも通りの表情でじっと私を見つめてくる。
無表情だけど、どこか優しい…そんな温かくて綺麗な金の瞳に早くも鼓動が早くなってしまう。
目線をさ迷わせながら「あのね、」と言うと、長い睫が瞬いて無言で先を促された。
「あの、ね…実は…今度一緒に現世に行って欲しいの」
「現世?任務か何かか」
「任務とかではなくて…私個人の用事で…買い物に付き合って欲しいなって…」
「…」
「あの、無理にとは言わないからっ」
すぐに返答が出なかったから、やっぱり嫌なんじゃないかと思い慌てて付け加えると「誰も嫌とはいっていない」と言いながらまるで髪を混ぜるように頭を撫でられた。