刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第39章 へし切長谷部は見た!!
不動、あいつは目を離すとすぐふらふらとどこかへ消える!
不動を連れどうにか本丸に帰還した後、ゆっくり風呂に浸かろうと大浴場に向かって廊下を歩いていると、中庭になにやら発光しているものが見え、俺はふらりと足を向ける。
すると、主と大倶利伽羅が手持ち花火をしていた。
お祭りから帰ってきた二人は浴衣のまましゃがんで、小さく発光している花火を見つめている。
時々何か話しながら互いに見つめ合い笑い合うその仲睦まじい様子をじっと木陰から見つめていると、「覗き見とは良い趣味ですね」と宗三の声。
「馬鹿な、俺は主が心配なだけだ」
「それを覗き見というのですよ…わからないのですか」
宗三は呆れながらもクスクスと笑い、「…今夜は付き合いますよ」と酒が乗った盆を俺の目の前に出す。
仕方がない、付き合ってやるかと縁側に渋々腰を下ろした。
暫く飲んでいると、主と大倶利伽羅が俺達の側を通りがかった。一緒に飲みたかったが宗三に止められ二人の背中を見送る。ふう、と長い溜め息をつくと宗三が「そんなに欲しいなら奪ったらどうです」と信じられないことを口にした。
「貴様、どういう意味だ」
「そのままの意味ですよ…」