刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第39章 へし切長谷部は見た!!
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今日は本丸全体が随分と浮き足立っている。
夏祭りに行くんだ、と短刀達が嬉しそうに話をしているのを今日までに何度も耳にした。
主が参加するなら勿論俺も同行するに決まっている。
少しそわそわしながら玄関先で主を待っていると浴衣に身を包んだ、普段より着飾った主が姿を現わした。
なんて華やかでお美しい!
思わずよい仕事をした歌仙と加州の肩に、頷きながら手を置いたら苦い顔をされた。
それはさておき、
「ああ主…お綺麗です。とても…」
「あ、ありがとう…長谷部も素敵だね」
「見に余る光栄でございます」
平静を装っていたが俺の心臓は爆発寸前だった。
主の手を取り横を歩きたい。
主が食べたいと仰っていたたこ焼きを一緒に食べて、最後に主と花火を見ることが出来たらどんなに幸せか…
「お~い、もう皆いっちまったぞぉ~…ひっく」
「ん…?」
主と楽しく過ごす妄想をしていると、不動の腑抜けた声が聞こえた。
気付けばもう主も連中も出発していて残っているのは不動と俺だけだった。
しまった、出遅れた!!
少しでも主と回りたかったが短刀どもが絶えず主の周りを取り囲んでいた。おかげで俺はずっと不動の面倒をみる羽目になった。