刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第39章 へし切長谷部は見た!!
「大倶利伽羅ァ貴様わざと強くううげああああ!!」
「ふんっ」
「あはは、長谷部凄い顔っ」
主!笑い事ではございません!
大倶利伽羅の奴、ここぞとばかりに俺の背中を容赦なく押しやがって!!
散々力任せに押され俺の身体はバッキバキになったが、その後主が優しくマッサージをして下さったのは不幸中の幸いだ。その上焼き菓子も一緒に食べられるという癒しの時間を過ごすことが出来た。
そして数日後の夜更け。
少し遅い風呂に浸かり終わり、自室に戻ろうと廊下を歩いていると執務室から漏れている明かりに気付いた。
こんな夜更けにまだ主は起きていらっしゃるのだろうか。急ぎの仕事でもあるのか?だとしたら俺が手伝いに行かねばなるまい!
執務室に近付くと、中に二人の気配。話し声が聞こえたので俺はそっと聞き耳を立てる。
「今回の戦果は…」
…なんだ。
大倶利伽羅が遠征の報告をしにきているのか。…にしても明日にすれば良いものをこんな遅くにわざわざ。少しでも主を早く寝かせてあげようという気遣いも持てないとは。
廊下に俺がいるとも知らずに二人の会話は続く。
「お疲れさまでした。いつもありがとう」
「…」