刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第11章 こんたくと?
「視力が少し悪いから目に直接つける眼鏡みたいなものです」
「目に直接、だと?」
彼は驚いたように近付いてきて、光忠と同じように屈んで私の目を見始めた。
近くで見ないとみえないのはわかるけど、大倶利伽羅さんがあまりに近い!そして近くに来るだけで私の心臓がこれ以上ないくらいに暴れる…
顔が良い!!格好良すぎて恥ずかしい…思わず一歩後ろに下がってしまったら、大倶利伽羅さんも一歩近付いてきてまた同じ距離。
心臓がうるさいくらいにドキドキしてしまって、顔に熱が集中するのがわかり、思わず大倶利伽羅さんの顔を自分の手で覆った。
「……おい」
「近いですっ」
「近付かないと見えないだろう」
「だってっ」
「見せろ」
大倶利伽羅さんが私の手を掴んでどかし、また間近で見始める。そのあまりの近さに私は動揺し、目を見開いたまま瞬きも忘れて硬直してしまう。
すると、暫し私の瞳を見つめていた大倶利伽羅さんはやっと顔を離し、驚いたように口を開いた。
「確かに…目に何かくっついてるな…大丈夫なのか?」
「あ、え、……そ、それが全然大丈夫なんです。さっき光忠もそれを見てて…」
「そうだよ伽羅ちゃん。ていうかっ、主ちゃん僕の時とあきらかに態度が違う気がするんだけどっ!」
「え?」
「僕の時は、僕が近付いても平気そうだったよねっ!それに今顔真っ赤だよ?」
「え!ま、真っ赤じゃない…よ?」
「…」
「ふーーん、僕だって男なんだけどなぁ~」