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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第38章 夏祭り


ん?と顔を上げると口の端についていたソースを親指で拭われてそのまま自分の口に持っていきペロリと舐める大倶利伽羅さん。あまりに優しい表情に胸がキュンっと鳴る。


「っ、あ、ポテトも食べる?」


心臓がうるさくて誤魔化すようにビニール袋からポテトを取り出し大倶利伽羅さんに差し出すと、「あ…」と少し口を開ける素振りをされた。どうやら食べさせろってことらしい。ポテトを摘まんでおずおずと彼の口元に持っていくとパクリと食べられる。


「…ッ!」


その時に私の指が大倶利伽羅さんの形のいい唇に少し触れてしまい心臓が変に飛び跳ねる。そしてゴクリと飲み込むときに上下に動く男らしい喉仏…

急に恥ずかしくて堪らなくなり光忠が持たせてくれたラムネを口に含んで、大倶利伽羅さんをチラリと見るとじっとこちらを見ていた。


「っ、な、何?まだ食べる?もう最後の一つしか…」


動揺しながら最後に残った小さいポテトを手に取り、大倶利伽羅さんの口元に差し出すと口が少し開いて赤い舌が覗く。あ、っと思ったときには指ごとパクリとされてしまった。


「!!」


驚きすぎてすぐに状況が飲み込めず、手を差し出したまま硬直してしまっていると、そのまま彼の口の中の私の指に舌がねっとりと絡みつく。


「ぁっ…」


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