刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第38章 夏祭り
小狐丸と三日月さんが持っている容器には赤や黒の金魚が沢山泳いでいるけど、石切丸さんと岩融さんは…
「どぉりゃあっ」
「ああっ!そんなに力んでは金魚が逃げてしまうっ」
「へたくそですねえ!」
「はっはっは、主もどうだ?」
「ぬしさま、私が取って差し上げましょう!上手いですよ私は」
力任せにポイを水に突っ込んでいる岩融さんと困り顔の石切丸さん、ひょっとこのお面を付けて辛口発言のいまつるちゃんに笑いが込み上げる。その横で三日月さんがゆっくり手招きし、小狐丸が一掬いで出目金を2匹掬い上げた。
「小狐丸凄い!」
「ふふ…野生故お手の物です」
「野生関係あるの!?」
それから粟田口の皆も参戦して、短刀ちゃん達のすご技にどんどん金魚がすくわれていく様子に「勘弁して下さいっ」と店主が慌てふためく。
すると私を呼ぶ貞ちゃんの声。
振り返ると、満面の笑みを浮かべながらこちらに走り寄ってくる貞ちゃん。手にはヨーヨーを持っている。
「貞ちゃんもヨーヨー釣りしたの?私もさっき来派とそこにいたんだけど会わなかったね?入れ違っちゃったのかなぁ」
「おう!今さっきみっちゃん達と釣ってきたんだっ」