刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第38章 夏祭り
「よーっし!俺が相手だ~」
「おお愛染!なら勝負ぜよ、あれを取った方が勝ちじゃあ!」
「望むところだあ~!」
「国俊がんば!」
「おーおー、がんばりいや」
愛染くんと陸奥守さんが白熱したバトルを繰り広げている中、粟田口のメンバーも合流し、蛍丸と明石に手を振って今度は粟田口の皆と色々な出店を回ることに。
途中でふわりと甘い香りが運ばれてきて視線をやると、べっこう飴やりんご飴、いちご飴が売っている出店があった。
りんごやいちごを包み込む赤い飴細工に、短刀ちゃん達が目を輝かせて買おう買おうと口々に言いながら一期さんと私の手を引っ張りお店に並ぶ。「やれやれ…一つずつだよ」といいながらもとても嬉しそうな一期さん。
私はいちご飴を選んで、短刀ちゃん達はそれぞれ好きな飴を買い、露店の道なりを飾る堤灯やライトの光に反射してキラキラ綺麗に光っている飴細工をペロペロ舐めながら歩いた。
「次郎…飲みすぎですよ…」
「今日ぐらい固いこと言わないのー!」
「全く仕方ありませんね…」
イカ焼きをつまみながらお酒を飲む次郎ちゃんに、あわあわと注意をする太郎さん。
途中途中ですれ違う刀剣達に手を振りながら金魚すくいのお店に着くと、三条の面々がしゃがみ込んで真剣に金魚すくいに興じていた。