第38章 夏祭り

出店につくと、早速愛染くんが釣り針を受け取る。そしてお目当てのヨーヨーの紐に引っかけるも、もう少しで釣れそうというところでヨーヨーがボチャンと落ちてしまった。


「ちっくしょーちぎれた！案外難しいんだなっ」


愛染くんがもう一回といい釣り針を受け取っているその横で、蛍丸が得意げにヨーヨーを釣り上げる。


「じゃーん、2本釣りで～す！」

「うそっ凄い！！私なんて1個も釣れないのにぃ…」

「主さん、下手くそすぎー」


ケタケタと楽しそうに笑いながらヨーヨーすくいをする愛染くんと蛍丸。

愛染くんは最初こそ下手くそだったけど徐々にコツを掴んで沢山釣っている。私は相変わらずすんでの所で落としてしまい情けないながらも蛍丸と愛染くんが釣ったヨーヨーを一つずつ貰った。

愛染くんと蛍丸はゴム紐を中指に付けて上下に手でつきながら楽しそうに遊んでいる。射的の場所に移動すると、すでに獅子王と陸奥守さんが銃を構えているのが見えた。パーンと勢いよく打っているけど、大物を狙っているようでなかなか苦戦しているようだ。


「くそう！あと少しっちゅーのになかなか難しいぜよー」

「この獅子王様に任せろってんだ！」