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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第37章 修行


「ボーっとしちゃって可愛い!俺の連絡先がそんなに嬉しい?まいったなー」


 …チャキ


鯉口を切る音がやけに鮮明に聞こえ、え?と思ったときにはもう目の前にギラリと光る鋭い刃。
そして次の瞬間には男の手にあったメモ用紙が粉々に引き裂かれていた。


「は?え……ひ、ひぃっ!!」


何が起こったのかすぐには理解出来ず、ひらひらと綺麗に舞いながら床に落ちていくメモ用紙を眺めていたら男の悲鳴が聞こえた。

床に落ちているメモ用紙から目線を上に辿っていくと龍の彫り物が見えハッとして顔を上げた。刀を握っているのは鋭い目つきの大倶利伽羅さんで、いつの間にかその切っ先は男の喉元に突き立てられている。


「気安く触るな。…失せろ」


怒鳴っているわけではなく、むしろゆっくりと穏やかに響くような低音。なのに体の内に響くようなそんな声に、男は青ざめ弾かれるように後ろに尻もちをつく。


「ひいいい!サーセンッサーセン!許して下さい!おつかれっしたあああー!」


そして四つん這いのまま逃げていった。


「鶴さんごめん、とてもじゃないけど抑えきれなかったよ…」

「ああ…仕方ないな。俺も腸煮え繰り返りそうだったからな」


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