刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
力任せに男を押して離れ、何事もなかったように大倶利伽羅さんを始めとする刀剣達に激励の言葉を伝えてから、ナンパ男とは一定の距離を取り二階の観覧席に向かった。
こんなところで、政府の人達も沢山いるこの場所で口説かれては審神者としての評価に関わる。私に隙があるからだと言われかねない。
2階に着くと、他の審神者さんと戦いが終わったらしい刀剣の姿も確認でき、ナンパ男と二人っきりではないことに安心して端の席に座った。
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――その頃第一部隊は。
「おい光坊、主が口説かれていたな。伽羅坊がピリピリしているぞ」
「そうだね…あの審神者、なんか嫌な感じだったもんね」
男から逃げるようにさっと二階の観覧席に向かった主の後ろをニヤニヤしながら付いていく男。
その姿に加州は唇を噛み締める。
「なんなの?あのナンパ野郎!俺たちの前で堂々と主の事口説いて!次主に気安く触ったら俺我慢できないかも」
「うちの大将は可愛いからな」
「ちょっとちょっと…誰かさんがやばいんだけど~」
乱藤四郎が大倶利伽羅を指差し、皆が大倶利伽羅を見るとそこには黒いオーラを漂わせて殺気を放つ姿があった。今にもあの審神者に斬りかかっていきそうな雰囲気に皆ぞっとする。