刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「……ッ!!それ、は…本当か…」
「ああ、本当だ…その証拠に光坊が倒れていただろ?伽羅坊の濃厚な口吸いを目の当たりにしたせいなんだぜ…」
毎度お馴染み鶴丸の尾ひれがつきまくった言葉に、いつもなら騙されない大倶利伽羅さんが目を見開いている。
今朝目覚めた時私を抱き締めていた事実が、鶴丸の言葉を一層真実だと思わせているのかも知れない。
「鶴丸!尾ひれ付きすぎ!」
「く…ははっ、すまんすまん。伽羅坊をからかうのが面白くてつい…だが口吸いしたのは本当だぜ。いやぁ、あれには俺も驚かせてもらったぜ」
いつもは大倶利伽羅さんをからかえば逆に返り討ちにあっている鶴丸だけど、今日はここぞとばかりに楽しんでいる様子。
反対に大倶利伽羅さんは青ざめていた顔が今度はみるみる内に赤くなっている。
こんなに表情が変わる大倶利伽羅さんは本当に珍しくて…それに昨日から謝ってばかりの彼も珍しい…
「もうっその話はいいから!伽羅ちゃん大丈夫だよ!キスっていっても挨拶みたいな軽いのだったし一瞬だったからね?うん!だから気にしない気にしない!」
「…」
「もうちょっとからかっていたいのは山々だが、演練の時間が近付いてるんだ。残念だなあ」
「わ!本当だ、急いで準備します!大倶利伽羅さんも後でね」
「………すぐ支度する」