刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「はあ……しつこい、行くぞ」
「え?でもっ」
「放っておけ」
「なっ!こらっ!待たないか!」
大倶利伽羅さんは私の腕を引っ張り立ち上がらせ、手を引いてそのまま歩き出す。歌仙の怒号が後ろから聞こえたけど、恐ろしいので振り返らずに小走りで広間を後にした。
「うぅ…体中が痛い…」
「すまない…」
「伽羅ちゃんは体痛くないの?」
「問題ない」
「さすが…」
執務室に着くと既に鶴丸が待機していた。いつもさぼってばかりなのに昨日も立てない私に変わって執務を頑張ってくれていたし、ここ数日の鶴丸には本当に頭が上がらない。
「お!やっと解放されたか?歌仙のお説教をくらっていたと聞いたぞ」
「鶴丸…昨日から迷惑掛けっぱなしで本当にごめんなさい…」
「いいさ、それよりきみが説教くらうなんて久々じゃないか?」
「うん…鶴丸と一緒に長谷部に悪戯した以来、かな…?」
「だそうだぞ…伽羅坊」
「悪かった…だが昨夜のことは余り覚えていない」
「そうか、覚えていないのか!なら代わりに俺が教えてやろうじゃないか!昨晩伽羅坊はな、主に詰め寄る亀甲貞宗をタコ殴りにしてから主に抱き付いて、あろうことか無理やり濃厚な口吸いをしたんだぜ」