刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「おっと…きみも行くんだぜ?亀甲」
こっそり逃げようとした亀甲さんが鶴丸につかまり、どこに行くのかは分からないけどこちらもまた広間を出て行った。
今まであからさまに花街に行くと言われたことがなかったので、日本号さんと共に去っていくメンバーを見ながら妙に恥ずかしさを覚える。
それにしても割引チケットって…そんなのもあるんだ…
元気がある刀剣はほとんど広間を出て行ってしまい、潰れてしまっている男士だけがその場に取り残された。さっきまでの喧騒はどこへやら…広間には寝息だけが聞こえる。
大倶利伽羅さんを見ると相変わらずの綺麗な顔ですやすやと眠っている。
今日は昼の出陣に加えて、更にかなりの時間手合せもしていたみたいだし疲れているのだろう。その上大分飲まされて潰れてしまうのは当たり前だ。出来ればこのまま起こさず寝かせてあげたい。
それに女一人では大倶利伽羅さんを部屋に移動させることも出来ない。かといって他の男士共々このまま放置して自分だけ自室に戻るのも気が引ける。
時刻はもう夜中の2時を回っている。今日はこのままここで寝ることになりそうだな…と彼の柔らかい髪の毛を触りながら私も壁によしかかった。