刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
瞬きを忘れる程驚いている私をよそに、大倶利伽羅さんはもう一度軽く唇を食んだ後ペロリと下唇を舐め、ふ、と微笑んだ後再度膝にゴロリと頭を乗せ横になった。
信じられないような彼の行動に暫く呆然としていたら、広間にいる刀剣達も同じようで皆動きが止まっている。
「酒の追加持ってきたぞ~、国広ぉ手伝ってくれ」
「あ、はい兼さん!」
そこへお酒の追加を持ってきた兼さんの声で皆が我に返り、暫くして広間に怒号が飛び交った。
「見たか今の…」
「ちょっ!?」
「なんだ今のは!!…大倶利伽羅貴様ァァァ!!いつもそうやって主にっ!くそぉぉぉっ」
「はっはっは、修行後は随分と大胆になったようだな。ふむ、大倶利伽羅はあのように主に甘えるのか」
「わあ!大倶利伽羅さんもやりますね」
「信じられない…」
「さ、さては助平の修行に行ってきやがったな!?」
「あん?何かあったのか?」
「兼さんは知らなくていいよ?」
「何だそりゃ…?」
ぶわっと顔に熱が集まり恥ずかしさで逃げ出したくなるけど、私の膝では既にすやすやと大倶利伽羅さんが眠っているので身動きが取れない…
「宗三兄様?」
「小夜、少し我慢しなさい…」
宗三さんが小夜ちゃんの目を手で覆って見えなくしている…