刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
大分出来上がっている様子の加州くんが大倶利伽羅さんを私から引っぺがそうと力を入れる。それに抵抗して大倶利伽羅さんが私の腰に手を回ししがみついた。
「たまには俺に主譲ってくれてもいいじゃんっ!離れろよ!」
「ぐぅ…ぐ、ぐるし…っ」
「ちょっと、二人とも!主ちゃんが潰れちゃうよ!」
光忠が慌てて割って入り加州くんと大倶利伽羅さんを私から離そうと手を掛けた時…
腰に巻きついていた大倶利伽羅さんの腕が緩み、ムクリと起き上がった。トロンとした金の瞳に真っ正面から見つめられる。
「な、なに?どうしたの?…気持ち悪いとか!?それとも眠い?」
「…」
その様子に加州くんと光忠も手を止め、大倶利伽羅さんに注目する。
不思議に思いつつもじっと見つめられている金の瞳から目を離せずにいると、ゆっくりと大倶利伽羅さんのお顔が近付いて来た。
ちゅ…
「…ッ!!」
「「 !!!!!!!」」
「な、何今の!伽羅ちゃんがっ!伽羅ちゃんが主ちゃんにっ…そ、それは反則だよっ」
バターン!
お決まりのように光忠が感極まってぶっ倒れた。
それはそうと…キ、キスされた。皆の前で!
公衆の面前でこんなことをされるのは初めてなので思わず固まってしまった。