刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第2章 出会い
あははと苦笑していると、光忠は「伽羅ちゃんはあんな感じだけど、照れ屋さんなだけでいい子なんだよ!」と笑った。
何でも大倶利伽羅さんとは旧知の仲だそうだ。
「伽羅ちゃんへの本丸の案内は、僕に任せてよ」
光忠が嬉しそうに言うのでお願いすることにした。
刀はあんなに綺麗なのに、ヤンキーみたいだしなんて無愛想なんだろう、仮にも付喪神様に対してそんなことを思ってしまった。
それが彼と私の出会い。
たぶん最悪な出会いだった、と思う。
…
…
この本丸の近侍はローテーションで一週間ずつ回していて、新しく顕現された刀は慣れるためにすぐ近侍についてもらっている。
そして近侍期間中は、執務室の隣の近侍部屋で過ごしてもらうことになる。
衝撃的な出会いをした大倶利伽羅さんに近侍を頼むため、彼を探した。
「あ、光忠!大倶利伽羅さん見なかったかな?」
「伽羅ちゃんなら、あっちの木陰にいたよ。どうしたんだい?」
「近侍を頼もうかと…頼まれてくれるかわからないけど」
「僕が伝えておこうか?」
「そうしたい所だけど…彼と全然話せてないし、頑張ってお願いしてみるよ」
「オーケー!」