刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第2章 出会い
「……大倶利伽羅だ。別に語ることはない、慣れ合う気はないからな」
褐色の肌に柔らかそうな焦げ茶の髪は、毛先にいくにつれて赤く染まっていて、左腕には刀身にもあった龍が巻き付いていた。戦装束は学ランのようで、腰に金のフリンジのついた赤い布が巻かれている。
ヤンキーみたいだ、なんて思ってしまったが…彼と視線が合わさると、綺麗な金色の瞳に吸い込まれそう…そう思った。
「えっと、わたし「慣れ合うつもりはない」」
「へ?」
「…」
「…」
これまで鍛刀した刀達は皆人当たりのいい刀ばかりだったので、その一言で私は酷く動揺した。
「…用がないなら失礼する」
暫く仏頂面で私を見下ろしていた彼だったが、私が何も言わないからかそのまま鍛刀部屋を出ていってしまった。
「え…は、はぁ!?」
勿論私の隣にいる国広くんも唖然としている。そこへ、バタバタバタとこちらに向かってくる足音。そしてバンッと勢いよく鍛刀部屋の扉が開かれた。
光忠が珍しく息を荒げている。
「主ちゃん!伽羅ちゃん、大倶利伽羅を顕現したのかい!?さっき見かけたんだけどっ」
「あーうん…そういや大倶利伽羅って名乗ってたかな…なんか勝手に出てっちゃったんだけど…」