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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第2章 出会い


本音をいうと光忠に頼みたかったけど、この本丸の主としてせめて挨拶だけでもきちんとしておかなければと、緊張しながらも彼がいるという木陰に重い足取りで向かった。

木陰が見え始めた頃、木に寄りかかって座っている刀剣の姿が見えた。
座っている刀剣はまぎれもなく大倶利伽羅、だ……
本当にいたっ!!彼はボーッと空を見上げていた。恐る恐る声をかける。


「あ、あのぅ…」

「何の用だ…」


ひぃ!睨まれてるよね。怖い、怖すぎます…
一瞬でその場の空気が凍り付いたような気がした。逃げ出したい気持ちを何とか抑えて、彼に伝える。


「わ、私ここの本丸の主です。先程は挨拶も出来なかったので」


素晴らしいほどの棒読み状態になってしまって自分が情けなくなった。それに冷や汗も出てきている…


「…」

「えっと、新しくここに来てくださった方には、慣れてもらうために近侍をお願いすることになっていて」

「慣れ合うつもりはない」

「慣れ合いではなくて仕事なので、そう言わずにお願いします」

「引き受けるつもりもない」

「ここの本丸のルールです!」

「…チッ」

「!!」


まさかの舌打ちに恐怖で足が震える。正直泣きたい。でも今更引き下がるわけにもいかず…


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