刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ちょっとなんなのさ?」
「俺達が先に主と座るって言ってたんだからね!」
「大倶利伽羅がいない時ぐらいいいだろう、たまには俺に譲れ!…ね?主?いいですよね?」
「そんなの俺達だって同じだよ」
「文句を言うな!カレーが冷める」
長谷部は持ってきた私の分のカレーを目の前に置いた。素揚げされた茄子とズッキーニ、オクラ等の夏野菜が乗っている色鮮やかなカレー。
「さあ主!温かい内に召し上がりましょう」
「ちょっと!何なかったことにしてんの?」
「主~!長谷部なんかの隣じゃなくてこっちで飲みなよぉ~」
「ぬしさま、小狐丸の隣が空いてますよ」
「…争奪戦やね、皆の目が怖いばい…」
何事もなかったように食べ始める長谷部に加州くんがキレて、外野からは次郎ちゃんと小狐丸が手招きをしている。そしてその光景を眺めている博多君が御手杵に肩車されながらこちらを覗き込み肩を竦めていた。
「えっと…私、短刀ちゃんのところで食べようかなぁ」
「何故ですか!ここで俺と召し上がればそれでいいじゃないですかっ」
「はあ!?首落としていい?いいよね?」
その後皆でぎゃあぎゃあ席の取り合いをしながら段々とヒートアップしていく刀剣達に、堪忍袋の緒が切れた歌仙と一期さんが一喝し、その場は収まった。