刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
こうなったら話を合わせるしかなく、もうどうにでもなれと捲し立てた。そして、恐る恐る亀甲さんを見ると、余程ショックだったのか顔面蒼白状態になっていて…
皆で共謀して騙して。
罪悪感で押し潰されそうになるけど、大倶利伽羅さんとそういう関係なのは事実だし、全てが嘘と言うわけではなくて。
「だから、ごめんなさいっ!」
「亀甲、もうわかっただろ。というか…最初からわかっていたんじゃないのか」
「…ふふ、そうだね…とっくにわかっていたよ」
「え…?」
「本当は最初から…わかっていたんだ。気付かないふりをしていただけで…どうしたってぼくの物にはならないってわかっていたけど認めたくなかったんだ」
亀甲さんは苦痛な表情を浮かべながら話を続ける。
「一目惚れだったんだ。なのに直ぐに恋仲の刀がいると言われて正直愕然としたよ。でも出会うのがその刀より遅かっただけで、ぼくだって今は男の姿だ!ご主人様をその刀と同じように抱き締めて愛することが出来る。だからぼくでもいいじゃないかってそう思っていたんだけど…
一通の手紙を眺めているご主人様を偶然見てしまって、その手紙の送り主が誰だか直ぐに察しが付いたんだ。あんな幸せそうな、愛おしいって言っているような…そんな顔をご主人様にさせる刀に最初から適うわけがなかったんだ…」