刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「でも…この神気は政府の大倶利伽羅さんのだから、うちの本丸の大倶利伽羅さんが帰ってきた時に亀甲さんに不振に思われたりしないのでしょうか?」
「それなら大丈夫です。同じ刀なら見分けられますが、違う刀からはあなた様に纏う神気だけではそこまで見分けはつきませんので」
「そうなの?鶴丸」
「ああ、確かにきみの霊力も混じるせいか区別がつかないな」
どうやら、大倶利伽羅さん同志なら自分のではないとわかるけど、他の刀剣にしてみたらそのわずかな違いはわからないらしく…
「必要になりましたらまたいつでもお越し下さいませ」
店主にお礼を言い店を後にした。
来た道を戻り目の前には自分の本丸。門をくぐり、行きとは正反対に堂々と帰ろうということで、少し怖いがそっと玄関を開けた。
執務室に向かって歩いていると、「ご主人様…」と亀甲さんの声。思ったより早くに現れた人影にビクリと肩が揺れる。
「き、亀甲さん…」
「亀甲、もう諦めろ」
「そうです、あきらめなさい」
亀甲さんは私達と少し距離を置いたまま私を穴があくほど見つめている。本当にさっき付けた大倶利伽羅さんの神気が役に立つのかとてもドキドキしたけど、亀甲さんの並々ならぬ様子に神気の効果があると確信した。
「ああ…ご主人様どうして…」