刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第48章 忍び寄る魔の手
考えたくはないけど、部屋を覗かれたりする可能性だって否めない。
すると、大倶利伽羅さんは眉間にしわを寄せて不満げに私を見下ろした。
「もう我慢できない」
「も、もう少しで解決するからっ!だからもう少し待っててっ」
「あんたと一緒にいたい」
「……伽羅ちゃん……私も一緒にいたい……よ」
「なら…」
大倶利伽羅さんは畳み掛けるように、私の頬をその大きい手で優しく挟み、親指でそっと触れている頬を撫でながら瞳を覗き込む。
シーちゃんが私に嘘をついたこと、彼女のおかしな態度、こんのすけとの約束、それら全てが頭を過ったが、大事になるのは避けたくて…大倶利伽羅さんには内緒にしようと思った。
私は慌てて笑顔を取り繕ってもう少し待ってとだけ伝える。
すると大倶利伽羅さんは、大きいため息を付いた後、私のおでこに自身のおでこをコツンとくっつけた。至近距離で見つめてくる金の瞳に何もかも見透かされそうで、思わず視線を落としてしまう。
「…はあ、早く解決しろ」
「うん……」
「俺に手伝うことはないか……」
その問いに私は落としていた視線を上げ、大倶利伽羅さんの金の瞳をしかと見つめた。そして心配を掛けないようにはっきりと答える。