刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
そう言われたものの、やっぱり少し躊躇してしまう。
大倶利伽羅さんといえども違う大倶利伽羅さんの神気を口にするなんて…
瓶を持ったまま神気をかけようとしない私に痺れを切らした鶴丸が私から瓶を取り、シュッシュッシュとガラス瓶の中の液体を吹き掛け、更にお茶にも振り掛けた。
「…っ!鶴丸」
「きみは余計なことを考えすぎだ。別に伽羅坊を裏切る訳じゃないんだし罪悪感なんて感じる必要はないんだぜ?」
「あるじさま、だいじょうぶです。いまだけですから」
「そう…そうだよね」
本当にこんなことをしてしまっていいのかと抵抗があったが、意を決して目をギュッと瞑りながら一気に喉に流し込んだ。
特に変わった匂いも味もなくて普通のお茶の味で、私には自分の身体に纏ったであろう神気が感じられないので本当に大丈夫なのかと不安になる。でも目の前にいる鶴丸といまつるちゃんが驚いたように目を見開いているので成功なんだと思った。
「あるじさま、すごいです。大倶利伽羅のしんきにつつまれています」
「これで堂々と亀甲の前にいけるぞ」
「ほ、ほんとう?」
「ああ、これで解決だ」
「かいけつですね!」