刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第10章 かくれんぼ
どう考えても布団の中で抱き締められているような…そんな状態だ。
「~~~ッッ!!」
「…」
「ご、ごめ、ふむっ」
慌てて謝って、大倶利伽羅さんから離れようとしたら突然口を大倶利伽羅さんの右手で塞がれた。
な、なんで!?
「ん~!」
「…静かにしろ」
「!!」
そう言って大倶利伽羅さんは、私の後頭部をぐっと抑えて、私の顔を自分の胸に押し付けた。目の前には、彼のいつも身に付けているカーンのネックレス。
腰と頭をグッと押さえられて、全身がピッタリ彼にくっついている。
ちょっと待って!!
うそでしょっ!なにが起こってるの…??
大倶利伽羅さんはその後、右手で私の上に乗っかっている掛け布団を掴みながら、足でその布団を蹴りあげつつ、器用に私の体が完全に掛け布団で隠れる状態にした。
真っ暗で何も見えない。大倶利伽羅さんの心臓の音が穏やかにトクントクンと聞こえるだけ…
真っ暗の中、大倶利伽羅さんの温もりと彼の匂いに包まれて、自分の心臓があり得ないほどに早鐘を打っていた。
そんな中、ドカドカと足音が近づいてくるのが聞こえる。