刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第10章 かくれんぼ
読書の邪魔してしまってごめんなさい…でも今この部屋から出れないのです。どうしよう…と思っていたら後ろに押入れがある事に気付いた。
「ごめんなさいっ、ちょっと失礼します!」
「おいっ」
押入れを開けてみると、下段はお布団で一杯で隠れるスペースがない。
上段は布団はあるけどなんとか入れそうだった。急いで上段に手をかけて、ジャンプして這い上がり膝を上段にあるお布団にのせたら、布団がズルッとずれて、体がグラリと傾いた。ひぇっ落ちるっ!
布団に慌てて掴まるも、布団ごと体が宙に舞う…
「きゃぁっ!」
「あぶな…ッ!」
畳に叩きつけられるっ!!と思い、目をぎゅっと瞑った。
「…ってあれ?」
「…」
少しの衝撃はあったものの、畳とは明らかに感触が違う。頭を持ち上げて見ると間近に大倶利伽羅さん。落ちるときに下敷きになって助けてくれたらしい…
けど…
けど…
すぐさまその状況に慌てふためく。
私の体は大倶利伽羅さんの上に覆い被さって密着しており、私の背中の上には掛け布団が乗っていて、私の腰には落ちるときに支えてくれたのか、大倶利伽羅さんの両手がしっかりと回されている。