刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
さっきまで飛び跳ねながらはしゃいでいたいまつるちゃんも、いつの間にか真剣な表情に変わっている。
言われてみれば…
神気という特殊なものを堂々と店内に陳列しているわけがない。購入する際には許可書と共に身分証明として審神者IDカードが必要らしいし、それこそ厳重な管理がされているに違いないのだから。
こそこそと話していたら、店主が近づいてきて「何かお探し物でも?」と聞いてきた。
「あの…こちらで神気が買えるとお伺いしたもので…」
店内に誰もいないことを確認してからそっと店主に問いかけると、その途端その場の空気が変わった。
そして奥からSPのようなガタイのいい黒服姿の男性2名が出てきて、私たちを挟むような形で立つ。
「え?え?」
「おっと…こりゃあ驚きだ、随分と物騒だな…」
「ぼくたちはあやしいものではありませんよ!」
瞬時に刀の柄に手をかける鶴丸。笑っているけど隙のない構え。隣のいまつるちゃんも目にも止まらぬ速さで私を守るように前に立った。
店主は殺気立つ刀剣を前にしても微動だにせず、言葉を口にする。何度もこんな場面に出くわしているのかとても手馴れている様子だ。