刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
お店にはOPENと書かれてあるオシャレなアクリルプレートが掛けられていて、どう見ても普通のお店のように感じられる。
こんな人気のない場所に立っているお店なんてきっと怪しげなお店に違いない、と身構えていた私は拍子抜けしてしまった程だ。本当にここが例のお店なのか、ともう一度端末を確認すると確かに目的地だった。
お店の中の様子を覗こうにも何故か窓がない…その点だけ少し怪しいと感じたが、ここまで来て目的の物を買わずに引き返すという選択肢はなかった。
「想像してたより可愛らしいお店だね…本当にここで合ってるのかな…」
いまつるちゃんは、さっと辺りを見回して危険がないと察知したのか「だいじょうぶのようです」と私を見た。
「よし、きみは念のため今剣と一緒に後から来い。俺が先に入る」
そう言って、鶴丸はいまつるちゃんと私を置いて先にお店の中に消えて行った。
暫くすると、お店からひょこっと鶴丸が顔を出し手招きをした。どうやら危険なお店ではないらしい。鶴丸の様子にホゥと息を吐きつつ、いまつるちゃんとお店の中に入る。
「いらっしゃいませ~」
お店に入ると、人の良さそうな店主が笑顔で出迎えてくれた。店内は、外観からはわからなかったが天窓がいくつもあり、そこから日が差し込み明るい造りになっている。