刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
念には念をということで、いまつるちゃんを先頭に玄関ではなく庭から本丸を出ることにしてこそこそと歩みを進めていると、貞ちゃんに会い事情を説明した。
貞ちゃんは「仕方ねーなぁ、でもあんまり遅くなるとみっちゃんが心配するから、用が済んだら真っ直ぐ帰って来いよ」と苦笑いしながらも送り出してくれた。
「鶴さん、主を頼んだぜ。このことはみっちゃんに伝えとくからな!」
「貞ちゃん有難う!」
「貞坊頼むぞ」
いまつるちゃんと鶴丸のおかげで亀甲さんに見つかることなく本丸を出て、端末で店の場所を調べながら人ごみを掻き分け進んでいく。
「おいおい…本当にこんなところにあるのか?」
いつの間にか人がまばらになっていて、一昔前のような路地裏を歩いている様子に鶴丸は顔を顰めながら首を傾げている。でも端末は確かにこの先と指し示しているので進むしかない。
「いまつるちゃん、とくに怪しい気配とかないよね?大丈夫だよね?」
「はい!だいじょうぶです」
いまつるちゃんの言葉にホッとし、細い路地をいくつか曲がるとやっと路地裏を抜けたようでさっと空気が変わった。そして可愛い雰囲気のお店が目の前に現れた。