刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第10章 かくれんぼ
どうやら潜り込んだのは伊達部屋で…
読書をしていたのか、大倶利伽羅さん一人が手に本を持って立て膝をついていた。
「勝手にお邪魔してごめんなさいっ!」
謝ってすぐ出ていこうとして、障子をそろっと開けて岩融さんの様子を探った。
ひえええ!もう5部屋程前辺りで、ご丁寧に一部屋一部屋障子を開けて探している。
今出たら確実に見つかって、罰ゲーム決定。
やばい…開けた障子をそーっと閉めて、大倶利伽羅さんの方を恐る恐る振り返ると、大倶利伽羅さんはいかにも嫌そうな顔をしてこっちを見ていた…
「…」
「大倶利伽羅さんや…」
「…なんだ」
「ごめんなさい大倶利伽羅さん!お願い、私を匿って下さい!!」
「は!?」
「岩融さんに見つかったら過酷な罰ゲームがっ!!」
と少々大袈裟に言ってから、ズザズザーっと大倶利伽羅さんの後ろに行き、その背中に身を隠してみた。
「おい、何をしている…」
「かくれんぼ中なので、隠れております…でもこれだとすぐ見つかりますね」
大倶利伽羅さんの溜め息が聞こえて、パタンと本を閉じる音が聞こえた。どうやら本を読むのをやめてしまったらしい。