刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「主がそこまで仰るなら仕方ありません。……ならば、もう方法は一つしかないですね。出来ればこれは避けたかったのですが…ふぅ…」
長谷部の言葉に緊張が走り、執務室全体がピリっと張り詰めた空気に一転する。
一つしかないって…一体何?出来れば避けたいってさっきの地下牢や刀解よりも酷い事を言い出すつもりなの?
ハラハラしながら言葉を待っていると、長谷部は意を決したように私を見つめた後少し照れたように頬を赤らめ「俺が適任だと思います」と言った。
思わず脳内が疑問符だらけになる。
適任?何が?亀甲さんを監視する役とか?
そこにいる長谷部以外の全員と顔を見合わせるも、全員が何のことかわからない、といった顔をしていた。
「あの、長谷部…何が適任なの?ちょっと意味が分からないんだけど詳しく説明してくれる?」
「ですから…地下牢も刀解も不可能となると、先ほど鶴丸の言っていた事が一番の解決方法になります」
「え…それって」
「ええ、一発おやりになるなら主お世話係である俺が適任だと思「格好良く決めたいよね!」ぐあああっ!!」」
打撃73の重い一発を光忠が長谷部に食らわし、それをまともに食らってしまった長谷部は気絶してしまったようで。
さっきまで同じことを言っていたはずの鶴丸は軽蔑するように長谷部を見下ろし、貞ちゃんも呆れ顔をしている。
…うん、長谷部の口から一発なんて言葉が出るなんて、私も驚いた。