刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ううん…お話してくれてありがとうね」
「でもなぁ、あと3日もカップラーメンと思うとな…何とかなんねーかなー」
「さすがにそれはないと思うんだけど…」
そう…
食事を作る要である光忠が過度の心配性なばかりに、本丸の食事を作るどころではなくなり今朝は準備が間に合わず、急遽朝餉は非常用として置いてあったカップラーメンを皆で食べた。
私と国広くんと兼さんは大喜びで、特に兼さんはカップ麺の蓋を閉めて3分待っている間、少年のように目を輝かせてそわそわしていた。
そしてもう一人の要である歌仙も普段はあんなに怖いのに、今回に限っては私を酷く心配しており、信じられないことに光忠同様にお料理に手がつけられない状態である。
他のお料理の腕に自信がある堀川くんを始めとする刀達は、予め予定が組まれていた出陣や遠征に出ている。
本丸の台所が崩壊している由々しき事態…まさかこんな事になるなんて誰が予想しただろうか。
恐るべし、亀甲貞宗!
どうしようか…と貞ちゃんと顔を見合わせていると、「俺に任せてください!!」と襖がスパーンと開き長谷部が登場した。
その場にいる皆の顔がひきつる。
「は、長谷部くん!!」
「主、話は聞かせて貰いました。俺にいい案があります」
「いい案って、本当なのっ!?」
盗み聞きされていた事はこの際突っ込まずに、ドヤ顔の長谷部に藁にも縋る思いで詰め寄った。