刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「ぬしさま、ありがとうございます。何とも幸せな時間でした。よろしければまたお願いしたいものです」
「これくらいならいつでも」
「ぬしさまは本当にお優しい…この小狐が必ずや亀甲貞宗からぬしさまをお守り致しますゆえ」
「ふふ、ありがとう」
小狐丸は綺麗な髪をなびかせて満足そうに執務室から出て行った。
…
…
「さて、どうする?」
「僕たちや主ちゃんがあれほど言っても利かないなんてあの執念深さ…一筋縄ではいかないね。手強すぎるよ」
「伽羅が帰って来るまであと丸三日か…」
「一日がこんなにも長く感じるなんて…昨日からずっとこの調子だし本当にどうしていいかわからない…」
「昨晩だって、主ちゃんの部屋に行こうとしていた亀甲くんを前田くんが見つけたから良かったものの…それに今朝なんて主ちゃんが使った箸、こっそり持ち出そうとしていたんだ、信じられないよ!」
そう…お箸は初耳だけど、光忠が言うように昨晩は私の貞操が危なかったようで…
前田くんに見つかった亀甲さんがその後粟田口部屋で監視されていたらしく、私は何も知らずに眠ることが出来ていた。
昨日だって落とし穴から這い上がってきた亀甲さんを、私に近付かせないように他の刀剣達も色々頑張ってくれていた。