刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
「あの…ちょっと待って下さい…」
「早速放置プレイかい?ぞくぞくするね…」
何を言ってもそっちの方向に解釈される…本当に話が出来るのかと不安しかない。
心を落ち着かせている私に鶴丸が苦笑しながら「大丈夫か?」と声を掛けてきたので、ひきつりながらも頷いた。
意を決して開いた襖の向こうに亀甲さんが立っている。太陽の光に反射して一瞬だけキラリと光った眼鏡にビクリと体が強ばってしまったが、悟られないように「どうぞ」と中に招いた。
「ふふ…失礼するよ。やっとぼくの物になる覚悟が出来たのかな?」
「そういう訳では…まずは、亀甲さんっ!度重なるご無礼、本当に申し訳ありませんでした!!幾ら驚いてしまったとはいえ…亀甲さんを呼び出し顕現したのは私です。それなのに逃げるなんて最低な事をしてしまいっ」
畳に手を付き頭を下げ誠心誠意謝ると、亀甲さんはきょとんとしながらも「ああ、そんな事?逆にぼくはぞくぞくしたけどね」とくすりと笑いながら答える。
その言葉に鶴丸が呆れながら「謝ることなんてなかったみたいだぜ」とぼそりと呟いた。
「あの、私…修行に行ってて今ここにはいないですけど既に大倶利伽羅という刀剣と恋仲なんです!だから亀甲さんの物になるとか無理なんです…ごめんなさいっ!」