刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
恥ずかしながらも自分では感じ取れない神気の事を聞くと、後藤くんは私を見つめた。
「まあ、確かにそれだけの神気じゃ確証は持てねーかも知んねーな。大分薄れてるし…それだけ薄まったのも鍛刀したせいだろうな…」
「鍛刀……そっか…そうなんだ…」
「まあ仕方ねえよ。いっそのこと結婚したらいいんだけどな!そしたら神気が薄まることもなくなるぜ?」
「けっ結婚!!」
「そんな驚くことか?あ!だったらそれ!その首の見せても信じて貰えねーかな?」
「首?」
後藤くんが少し照れくさそうに指を差す。その態度にすっかり忘れていたキスマークを思い出した。
大倶利伽羅さんが何故か見えるところにばかり沢山残していったそれ。
今思えば彼がいない間にこういうことがあるかもしれないから、それを見越してわざと見えるところに付けてくれたのかも知れない。
私はその思いに気付かず今の暑い季節だと隠せるものがないからって、極力皆に見られなくて済むようにファンデーションを上から塗りたくってしまった。
後藤くんは苦笑いしながら「普通に見えてるぜ」と言う。
慌てて首を触ると、さっきまでの逃走劇で汗ばんでいる。見えているということは汗でファンデーションが崩れたということだ。